鬼滅とコロナと自殺の増加
「鬼滅の刃」テレビシリーズ全26話を見た。
職場で話を合わせるために最初の1話ぐらいは、と軽い気持ちでアマゾンプライムを覗いたら、みごとにハマった。
アニメなのに、社会の過酷さに正面から向き合う覚悟を促す導入、その続きを見たいと思ってしまった。
ストーリー展開が早くてしかも巧み、同時に、キャラクターの描き方は丁寧で説得的(我妻善逸がお気に入り)。
うまくできたエンターテイメントというだけではない、作者自身が訴えかける生きる力が凄まじい。
10月からはテレビシリーズの続き映画「無限列車編」も公開されて、いまのところ、「千と千尋~」に続く興行収入第2位とのこと。12月にコミックの最終巻も出たところで、経済効果は今後も期待できる。
経済的にポジティブというのは、いまは単純に有難い。
くわえて、こういう子供だましでないアニメが流行るなら、もしかすると世の中は良い方向に進んでいるのかもしれないと、個人的にも嬉しい気持ちになっている。
週刊少年ジャンプに連載されていたから、ワンピースなどとおなじオトコノコが読者層なのかと思ったら、世代や男女を超えて広く支持され、女性、しかも意外に40代が多いのだという情報もある。
ところで、コロナが原因かどうかは正確にはわからないが、自殺、とくに夏が過ぎて以降の女性の増加が尋常でない(役所系の統計)。
NHKニュースによると、この「10月に自殺した人 女性20代と40代が去年の同時期より2倍以上」。
DVや育児等が原因か、とニュースでは分析されていて、確かにそうかもしれないけどピンとこない。
ほんとうに乱暴な論理だけど、鬼滅を見るタイプと自殺を考えるタイプは重なりがあるのではないだろうか。
私の場合、鬼滅で私の絶望の部分が共鳴しつつも、逆に生きる方向に雪崩れ込んで行くのを感じた。
冒頭、富岡と出会わなかったら、炭治郎は主人公となるまでもなく妹に殺されていただろう。小さな偶然が強い人の意志で世界を変えてゆく。生きることは貴い、と。
このあたりまで書いて、記事を1か月ほど忘れてて、その後、BBCの「ウルフ・ホール」に夢中になった。
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