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クロード・ランズマン「ショアー」作品社

初版1995年。
「ショアー」という1985年のフランス映画を文字に起こした書籍の日本語版。

映画は日本公開されていて、現在はDVD等を購入することもできる。
ただ私は、予告編(動画バージョン。日本語の公式サイトでは静止画バージョンだった。)の映像の力に身がすくんでしまって、本編動画9時間半を見続けることはできないと思った。
どうしようかと考えていたら、この書籍を見つけることができた。
 
500ページ近い厚い本だけれど、インタビューが詩のような形式の改行で記載されているから余白が広く、文字数的にはそれほどは多くない。1日で読むことは可能。
ナチスのホロコーストでどのようにユダヤ人が処遇されたのか、生き残ったユダヤ人、それに関わったドイツ人ら、収容所の近くで生活していたポーランド人などなどが証言している。インタビューはそれぞれのインタビューイーの言語、英語・ドイツ語・ポーランド語・イーディッシュ・ヘブライ語で語られている旨の注記がある。
 
各々のインタビューイーが自身の体験を語り、それをつなげることで観る者が客観的な状況を理解することができる構成になっている。
語られる過去の記憶は、必ずしも正確で真実とは限らないけれど、訳者高橋武智の解説(下記)は同意できる。
「各証言者が心のひだの奥深くに刻みこみ、事あるごとに反芻していた記憶は、少なくとも当人にとっては、文字通り肉体化したかけがえのない事実である。100%同一でなく、むしろ大筋において一致する複数の証言が共存することこそ、それぞれの記憶と証言された事実の真正性を証し立てるものではなかろうか。」本書462ページ
 
<メモ>
ルドルフ・ヴルバ:英語版ウィキ ルドルフ・ヴルバ
ヤン・カルスキ:関連日本語最新書籍「ユダヤ人大虐殺の証人ヤン・カルスキ
チェルニアコフ:日本語版ウィキ アダム・チェルニャクフ
 
下記は2015年3月の動画で、英語だけで関係情報を得ることができる。
ランズマンの紹介に続いてランズマン自身による説明、そして、長い沈黙を破ってショアーで語ったヤン・カルスキについての英語字幕と未公開部分映像。
 
 
私が知りたのは「今」というときであって、それが過去から連続してるという点においてすべての過去を知りたいという気持ちはあるけれど、それが不可能なのだとすればもっと情報に近い別の人に精査を任せたい。
ただ、知らなかったという責任放棄の場所に自分の身を置くことはしたくない。

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