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2017年11月

ロッキー・ホラー・ショー @Zeppブルーシアター六本木

演出:河原雅彦、フランク・フルター:古田新太のロッキー・ホラー・ショーを見てきました。

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幕が開く前、グッズの売り子に扮した東京ゲゲゲイのメンバーの撮影は可。
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映画とは違うストーリーということで行ったのですが、ほぼ映画をなぞるような形で進み、大きく違ったのは最後のほうで明らかになった登場人物の関係性。
映画で描かれたブラッドとジャネット、エディとコロンビアなどの恋愛関係が、ジャネットとロッキー、コロンビアとフランクフルター、フランクフルターとエディーという新たな解釈で描かれていたのでしたが、ただ、この辺の細かいストーリーはそれほど全体に影響していないかと、作り手も見る側も思っていたであろう次第。
単純に素敵な舞台でした。ブラボー。
比較するのはナンですが、お芝居を見に行くにあたって見直していた映画よりも楽しめた。
映画は1975年作なので、トランスジェンダーとかそういうものを描くことの気負いや警戒感があるわけですが、今回の舞台ではほとんどそういう感覚はなくてずっと自由に呼吸できる感じが良かったわけです。
それは、古田新太がドラッグクイーンを演じずに、誰もが人格に備え持っている部分を当然のものとして扱っていたこととか、アヴちゃんが現代だから成立する演技以前のナチュラルな存在感を活かしていたこと、それにロッキーの筋肉バカ的な知能の低さをいまさら取り立てて描かないなどという、サバイバーたちの物語だったところから感じた自由さです。
ソニンのキュートなバストとアヴちゃんの驚異のおみ足を拝むこともできたし、それと最後のリフラフとマジェンダの宇宙服が美しくカッコよかった。
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忘れてました、これはロッキー・ホラー・ショーなので観客が参加できて楽しかったです。
上記写真の売り子さんも、ペンライトや新聞紙のセットを販売していたわけですが、かなりの人が購入していて、劇中、会場は赤や青や紫のペンライトが点されてました。
それと観客が立ち上がってのダンス。最初にレクがあって振り付けを覚えて踊る。
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ベルンハルト・シュリンク「階段を下りる女」

先日、ドイツ人にドイツ語の小説は最近はほとんどないと聞いて、気になってパトリック・ジュースキント「香水」を再読した。
これはフランスを舞台にした話なので、日本語で読んでいるかぎり原典がドイツ語とか著者がドイツ人というのは全く意識されない。
その後、たまたま書評で標記小説を知って、そういえばドイツ人としてはこの「朗読者」の著者がいたではないかと、新作を読んでみた。
本書は主な登場人物はドイツ人で、ただ話の後半はオーストラリアが舞台になる。
書評にあるような、老いることとか死を間近にすることとか、そういう部分で何かを感じさせるところはなくて、軽いミステリータッチの心の底に響いてくるもののない小説だった。
そう、朗読者もそうだったけれど、ドイツの歴史を描くだけで陰影のある小説が書けてしまうわけで、それ以上の著者の洞察力は感じられない。
ただ、この小説を読んでよかったのは、ゲルハルト・リヒターのエマの力を改めて感じられたことだった。
原注として、本書はリヒターの画から何らかのインスピレーションを得た趣旨が記されている。
リヒターの来歴は知らないが、その画はなにか観る者の記憶に訴える力を持っている。逆に、シュリンクの本書に固有の力を感じることができないのは、本書が丸っとリヒターのエマの訴求力を借りている、エマがなければ本書は独自にはストーリーが成立しなかったように思われるからだ。
リヒター、ね。

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