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小林勇貴「全員死刑」@ヒューマントラストシネマ渋谷

すごく迷ったのだけど、友人が見に行くというので一緒に行った。
空いてるかな、と思ったら存外の8割ほどの入り。9割が青年男子、か。
福岡県大牟田市のヤクザ一家、一家というのは本当に戸籍上の一家で夫婦と息子2人、その一家で隣人4人を強盗目的で殺害して全員死刑確定というノンフィクション書籍の映画化。
事件としては2004年の出来事で、映画はほぼ事実に基づいて描かれているそうだけど、ユーチューバーが出てきたりして(2004年にはポップではなかったのでは)、事実をアレンジして独自の作品にしている。

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したたかによくできた映画である。
十分に商業映画として成立していて、つまり制作資金を引き出すだけの力があって、それはそれでダイヘンにいい。
見せ方が上手く綺麗にまとまっていて(こんなバイオレンス映画においてこれだけでも物凄い)、すでに共感の素地を有している観客は楽しめる。
ただ、新たな共感を掘り起こして普遍性を獲得する要素はいまひとつ希薄だ。
高評価を与えている映画関係者が本作に普遍性を獲得させたいとしている意欲は理解できるが、それは本作のしたたかさにしてやられているからだ。
プロトコルを微妙に外す、その見せ方が上手い。
私には、なぜ上手にプロトコルを外して見せているのか、その理由がわからなかった。
その理由がわからないうちは私はこの映画には共感できない。


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