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個の時代

ザ・シェイプ・オブ・ウォーターのアカデミー賞、ケンブリッジ・アナリティカの手法の暴露、トランプ文書のリーク。
今年は一つの分岐点で、時代は個に回帰するような気がする。

※ ※ ※

ザ・シェイプ・オブ・ウォーターの主題、それは「個」なのだと思った。
ホイト将軍のセリフ、部下のストリックランドに任務遂行を促すシーン。

 Our universe will have a hole in it with your outline.
 And you will have gone on to an alternate universe.
 A universe of shit.
 You will be lost to civilization.
 You will be unborn. Unmade. Undone.

 この世界にはお前という人型のぶんの穴ぼこができる。
 お前は別の世界、クソな世界にまで行って、
 英知のない、生まれず、創造されず、なされなかったものになる。

画面を見ながらワケわかんね、と思ってた。
要は、仕事しないと地獄に落ちるぞ、という意味なんだろうなあと。
映画の本編中にはshapeという単語は出てこない。
でも、この将軍の言う outlineという単語はshapeと同じだよね。
不定形な世界とか水とかの中で、わたしたち有機体は輪郭を持っていて、その分、世界や水はアナボコ状の形を保つことになる。
ザ・シェイプ・オブ・ウォーター=あなたの姿。
くわえて、最後の詩みたいの(12世紀のペルシャ詩人サナーイーの作を監督がアレンジしたらしい)。
これがこの映画の源泉なのかな。

 “Unable to perceive the shape of You, I find You all around me.
  Your presence fills my eyes with Your love, It humbles my heart, For You are  everywhere.”

 あなたの姿が見つからなくても、いつもそばにいるのがわかる。
 あなたは愛でわたしをみたしてくれる、
 あまねくあなたはいてくれる、だからわたしの心は穏やかに。

※ ※ ※

内部告発者によれば、ケンブリッジ・アナリティカはフェイスブックで複雑に絡む人間関係から大量のユーザの個性を判別して、それに合わせた情報を個々人に送り込む手法をだった。交差点で大声で話すのではなく、ひとりひとりにささやく手法。
イギリスのメディアによれば、情報の取得も個々のターゲットに合わせてカネ・女の子・弱みを握るという方法で、CAの形跡が残らないようになされたらしい。
個から仕入れた情報で個を類型化して個ごとの情報を送る。
広告としては、技術的にマスではなく個々に焦点を絞ることができるようになり、それが世界を動かす、そういう時代。

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