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ダブリン

フランシス・ベーコンは毎日見ていても飽きないよ 笑。
自分の子供の画を見るように、飽きるとかっていうレベルではなくなっているからかもしれないけど。

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ロンドンのアトリエあとに行ってみて、そこでペンキを塗っていたお兄さん(たぶんベーコン財団の職員)に絶対ダブリンのアトリエには行けと言われたし、自身でも行かねばならないと感じたけれど、アイルランド自体には必然性を感じていなかった。
というか、少なくとも半年とか住むレベルなら絶対行ってみたいけど、旅行レベルの滞在では魅力を逆に感じていなかった。
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ということで、ジョン・カーニーの映画を2本見たよ。
「ワンス ダブリンの街角で」「シングストリート みらいへの歌」
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両方ともと~っても良かった。
若者の感じる閉塞感、経済面・精神面・文化面での葛藤がリアルに伝わってきて、でもそこを切り開いて行く力がほんのわずかなきっかけで鮮やかに展開してゆく。
美しいストーリー。
結局はさ、何かを生み出さなければ自分が生まれないってことよね。
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シングストリートのほうは特に80年代のブリティッシュロック?ポップ?が時代背景で、その点「アトミック・ブロンド」と同じだけど、もっと音楽がメインなので、あの時代のMTVの雰囲気とかも分かる。
週一回のテレビ放送を楽しみにして、ミュージックビデオをみて、バンドの情報を聞いてうやうひゃ喜んで・・・なーんだ、日本の私たちとリアルタイムでおんなじことしてたんだあ、って思うと、映画の登場人物の気持ちにもぴったりシンクロできる。
もちろん、映画の登場人物たちのようなラフでハードなコアは私は持ち合わせていなかった。身体生命にかかわる問題は、一見して私の周りにはなかったからね。でも、むしばんで行く問題は在ったんだけど。
そして、この映画では、脇役のエイモン君がとっても素敵だった。ウサギ大好きのちょっと奇妙なキャラが魅力的で、これが演技なら本当にすごい。UKだと普通なのかもしれないけど。
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ワンスのほうは、もう少しおとなの、でもこっちも音楽を作ってゆく話。
主役は実年齢だと36歳らしいので、中年にさしかかった引きこもりが音楽という一点突破をしようとする話。
主演の男女はたぶん名前が出てこない。
そして最後も予定調和に落とし込まれない。
これがアイルランドっぽさかなあと、すんごくいいなあと思った。
最初のほうで、主演の女子が掃除機を転がして歩く姿が良くてもうあのシーンでやられたね。
それは、私がロンドンの住宅街で掃除機が転がっているのを見て、めちゃくちゃ面白かったのを思い出したからなんだけど(単に歩道に掃除機が転がっていた)、でもこのシーンはロンドンの風景なしても絶妙に素敵だと、一緒に見た人が言ってたよ。
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閉塞感とロンドンへのあこがれ、変わりたい自分。
吐きそうになるぐらいよくわかるよ。
海の向こうにイギリスの島影が見えるなら、私も絶対ポンポン船で行ってしまう。
ということで、気持ちの重ねられるダブリン、ダブリンに行きたい気持ちになりました。

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