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ライオン兄弟、ハイライズ

テレビで見たディスカバリーチャンネルのドキュメンタリLions of Sabi Sand: Brothers in Blood。
南アフリカのサビサンド動物保護区で産まれた6頭の兄弟ライオンが縄張りを広げ、分裂し、やがて台頭して生きた若いライオンに敗北するまでの16年間(詳細情報)。

これは秀逸。トラウマと言ってもいいぐらいに強烈に印象的。
人間以外の生き物について、これほど近しくリアルに感じたことはなかった。
生き物に対する感覚が塗り替えられた。
生きるということのエネルギー、それ自体が美しい。

対極ともいえる内容なのが、映画「ハイ ライズ」バラードの小説のほぼ忠実な映画化。
ロンドン近郊のタワーマンション、高層階ブルジョアジと低層階労働者に暴力闘争が起きて、混沌と化してゆく。
黒いごみ袋が積み上がり、プールは死体置き場になり、食料は尽きてペット犬を喰らう。
こちらには美はない。
ごみ袋はごみ袋のまま、ハイエナもハゲタカもいないから死体は形を保持したまま腐敗する。
役者の演技のうまさとボディの美しさ、加えて演出等のテクニックで、スタイリッシュな映画になっているけれど、どうもシナリオが浅い、もしくは、作っている人たちの間でのコミュニケーションが取れていない、つまり物語の共有ができていない感じがする。
映画の主題は階級の存在と相互の認知共感の欠如だけれど、そういう映画を作るためにはテーマを顕現化させるエネルギーがなくてはいけないのだろうに、それが十分には伝わってこなかった。

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