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映画「マックイーン」

2010年に40歳で自殺したファッションデザイナー、リー・アレキサンダー・マックイーンの生涯。
過去のフィルムや、周辺の人へのインタビュで彼をつづる。
映画が終了して、劇場の空気が異様だった。
これほど深い感動をたたえた空気は初めてだった。
たしかに、本人の自殺というエンディングは笑って席を立つというわけにはゆかない。
ほぼ号泣で立ち上がれない状況の人もいた。
しかし、そういう悲劇という要素を超えた、生命の尊さがこの映画では観客の心を突き動かしていた。
もしかすると、イギリスの観客よりわれわれは強い衝撃を受けたのかもしれない。

マックイーンのお洋服、代表的なものは?と言われても、じつはよくわかっていない。
ガリアーノとあんまり区別がつかなかったりする。
唯一、ケイトモスのホログラムは、とても印象的だったが。
映画では、オンタイムで見たよりも、物語をもってずっと素敵にお洋服を映してゆく。
服を着ることと、見せること、それもショーで見せることは全く違うことなのだとまざまざと感じる。
映画のブックレットを読んでわかったのは、やっぱり当初は関係者へのインタビューは難航したらしい。
制作者サイドとの信頼関係ができて行って、だから話を聞くことができて、この映画になった、それが観客の心を動かした。
イギリスの人は辛口になれていて、言語表現にいかに力があるか、技術が必要か、を理解している人が多い、
そういう人たちが、心を込めて話をすれば、日本人などはあっけなく感動する。
ぞれはもちろん美しいことだけどね。

現代のイギリス人にとって自殺というのはどいう感覚なのだろうか。
日本では比較的美化されてきた歴史があるけど、イギリスでは近代まで自殺は犯罪で、自殺した人の財産は没収されていたんだよね。
そういう社会背景は今どうなっているのだろう。
ゲイもイギリスでは戦後まで犯罪だったから、日本とはその存在がいまでも全く違うのだろうと思う。
その辺の感覚は、ほとんど全くわからない。

音楽が良かった。
マイケル・ナイマンだけど、映画「英国式庭園殺人事件」で自分で作った曲を使っていたのは、マックイーンがThe UKということなんだろう。

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