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2019年7月

ヤニス・バルファキス「父が娘に語る経済の話。」、星新一「声の網」、ティム・ステッド「マインドフルネスとキリスト教の霊性」

ヤニス・バルファキス「父が娘に語る経済の話。」


バルファキスはギリシャの経済危機の時の財務大臣だった経済学者。
彼のその仕事については「黒い 」に詳しい。

彼の経済学者としてのスタンスは、いわゆる経済モデルはプリチャードの言うアザンデ族が占い師を信じる状況と同じだという、リベラルなものだ。
そういう立場から、経済学を学ぶための素地としては、経済は交換価値のみに着眼して経験価値を無視していて、人類のハッピーとイコールではないことを知っていることが必要で、そして、たしかに経済や貨幣は必要であるもののそれに固執するべきではななく、歴史を知り、人の気持ちを知り、そういったことの上で経済は理解すべきなのだという、そういう本。

宣伝されているほどスゴイ本とは思わなかったが、とても読みやすいし、それはきっとバルファキスが政治的な人でアジテイトが上手いからなのだろう。
確かに面白く読むことができた。そんな感じ。

 

星新一「声の網」

星新一の本は、たぶん再読。1969年の作らしい。
絶句。
昨日書きました、ぐらいに極めて今日的。
ITとか電子機器とかサービスとか。淡々と、すごく自然に書いてる。
翻訳でなく日本語で読んでいるからか、海外のSF作家よりずっと日常的に未来を書いていて、本当に驚愕。
「情報銀行」という言葉をはじめてなのだか、とにかく使っているということで、アマゾンで取り寄せて読んだけど、「情報銀行」の業務内容はやや違うけど、まあ抽象的には正しい認識がされているのだろうと思う。
ただ、ここでの「網」は集中型であって分散型ではないからP2Pが存在していない。
逆に言うと、今現在のインターネットのP2P、つまりサトシ・ナカモトの言うような純粋なP2Pに、活路があるかもしれない。
ここは逆説的ながらも大きな示唆だと感じた。
それと、この本の最後の落ちは私には貧弱だと思えた。
1冊かけて書いてきて、すごいんだけど、こういう厚みのなさ、パワー不足が私が星新一を若干苦手と思う点。
中央官庁で去年から働いている知人が、「やっぱりキャリアは頭がすごくいいけど、理解が薄ペラで、いざ問題解決の議論になると何もわかってなくて、これは何なのかと思う」、と言っていた。
最近突き当たっているのが、この浅さの壁。

 

ティム・ステッド「マインドフルネスとキリスト教の霊性」

2016年にイギリスで出版された本の翻訳。
たまたま知って、たまたま購入に至った。銀座の教文館にて。
この本は、おもいがけず神を認識することのベーシックな部分が書かれていて、サブタイトルにも「神のためにスペースをつくる」とあって、本当にそうだよな、と思った。

たとえば、神は愛だということがあるけど、これを神イコール愛と考えるならそれでもいいのだろうけど、私は神と愛は存在形式は似ているものの全くの別物だと認識していて、いずれも有体でないけどたしかにある、それが失われればはっきりわかるという存在であるから、神のためには「スペース」が必要なのだと思ったわけだ。

    

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