バクダット・カフェ
「バクダット・カフェ」を見た。
見たいと思った時から35年以上経っていることに驚いた。
なのに古い感じがしなかったのにも驚いた。
画面の色彩や構図が、そういえばウオンカーワイとかベンダース、寺山修司なんかのテイストがあって時代がかっているのだけど、
リズム感が良いのと相まって、一周して逆に最近な感じがするのだった。
このリズム感の良さは要は迷いのなさで、
すべてが連関しているようで唐突なようで、いずれにしても説得力のある心地よいものだった。
冒頭のコーヒーポットは、ちょっとコメディーのようなオカルトのような具合に描いていて、
中盤まで見ると意味がつながって、なるほどなあと思った。
ただ、ググったら「ローゼンハイム・ポルターガイスト」というのがドイツでは有名らしく
(ドイツ語と英語のウィキがあった)、たぶんこれが元ネタなのだろう。
主人公ジャスミンは若いときにローゼンハイムの法律事務所に勤めていた、というウラ設定なのかもしれない。
後半はちょっと違和感というか既視感を感じたところがあって、これはなんだろうと脳の隅を探ったら、
デビット・リンチの「マルホランド・ドライブ」だった。
終盤は夢なのだという感想もネットにはあって、そうかもと思った。
夢というか幻覚というかパラレルワールドというか、そういう違和感、しかもどこかに恐怖のテイストがある。
立ち上がる雰囲気が同じなのは、きっと希望のない現実が向こう側に存在しているからだろう。
ほんと好きな映画。
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