さよなら、ベルリン
気づいたら、前の記事から数か月たっていた。
これはいけません。
アマゾンプライムで「さよなら、ベルリン」というドイツ映画を見た。1931年のベルリンを描いている。
「ヒトラーのための虐殺会議」を勧められて見たところ、とても面白かったので、またドイツ語映画。
これもとても良かった。人生のベスト5に入りそうな勢い。
原作がケストーナーとあったので、流石と思って原作も読んでみた。
びっくり。
映画ですごいなあと思った部分は全部、原作と異なっていて、映画オリジナルなようだった。
たとえば、映画の最後への流れは本当に素晴らしくて、精神活動がどんなに尊いか、よ――くわからせてくれた。
主人公が見えなくなる場面は、これだけでゴハン1杯食べれます、という語りつくせなさ。
しかし、これはモノを作る人が頭ではなく身体を通して表現した場面だというのは、シンプルに伝わる。
これが原作ではびみょうに違っていて、このびみょうさが圧倒的な凡庸を決定づけているのね。
長い映画なので躊躇するし、ちょっと悠長さも感じるけれど、
当時のベルリン(今に似ている)の雰囲気が経験できるし、生きることにも死ぬことにもタフになれる(かもしれない)ので、また見ようと思う。
ありていに言えば、フランシス・ベイコンが22歳のころ(1932年)にベルリンに滞在して強い刺激を受けたらしいので、それを少しでも知りたくて見たのだけど、予想外の収穫だったということでした。
ではまた。
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