12月
最近はゲオルグ・ジンメルを読んでいます。
ドイツの社会学者・哲学者。貨幣論とかとくに面白い。
マックス・ウエーバー「職業としての学問」で、ユダヤ人であったならすべてをあきらめなくてはならない、と書かれているのがジンメルだそうです。ユダヤ人、その他の理由で正教授に就いたのは50代で亡くなる数年前でした。
今年の一番の収穫は、このジンメルが見つかったことです。
ただ、リアルの生活では人間というものが、やっと少し見えて、ますます他人を信じないという、たいへん良い意味での見極めができています。
明日で世界が終わることを私だけが知っている、という感覚かな。
父母の認知症、そして病院や施設やその他の人間関係は、生命とか人格とかがグロテスクに生々しい世界で、これまでの自分の経験や学習結果を総動員して対応する日々であります。
以前もここに書いたのですが、最も参考になったのは、シェイクスピアの作品と「メメント」とか。シェイクスピアのリアのおかげで、ここまで気持ちの平衡感覚を保ってこれた、とも思っています。
ハードだけど、こういう経験ができて良かったと感じる日々。こういう現実を知らないまま死んでたら、人間として生まれた価値がないような。
最近やっぱり小説はわりと無力、と改めて思ったりもしますね。弱い。
だったら新しい表現形式を探すべきだとも。
デッサンをすると、線が引けないことに気づきます。
いくつもいくつもためして、この1本だと腑に落ちるときが訪れる、それがすごく楽しいです。
そういう線がいくつかできると、絵ができるんですよね。
文字では表せない、なぜかこうでしかない1本の線。
ベイコン丸10年考えてきて、やっとわかったわ。
本年もどうも有難うございました。
来年も宜しくお願い致します。
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